個人再生

個人再生における分割弁済期間

2021.09.20

個人再生では、今ある借金・債務を減額してもらい、減額してもらった後の金額を分割弁済する計画を立て、これが認められることを目指します。

借金・債務の減額がどこまで可能なのかは、最低弁済額を算出する基準があり、これに従って算出されます。詳細は、個人再生のページをご覧下さい。

分割弁済の期間は、法律で、原則3年と定められており、3年より短い期間での分割弁済は認められません。たとえ資力があって3年未満で支払いを終えられる場合でも許されません。

資力があるならば、それを3年間は返済に回して下さい、という趣旨と思われますが、実際には、最低弁済額以上の返済をすれば、法律上は問題はありません。

しかし、最低弁済額が高額となり、分割弁済期間が3年では足りない場合は、特別な事情があるものとして、例外的に、弁済期間を最大5年までの間で定めることは認められます。

ただし、弁済期間を3年を超える(最大5年間)とするのは、あくまで例外です。収入や生活費など家計収支の状況からして、3年の分割弁済で弁済を終えられる収入や資力があるのに、5年間の分割を希望することは許されません。

弁済期間を定める際、今後予測される家計収支の状況、つまり債務を返済しなかったとしたら家計の黒字額(収入から生活費などの支出を差し引いた金額)がいくらになるのかを考え、その黒字額を前提に、弁済総額を返済するのにどのくらいの期間がかかるのかを考えます。

例えば、毎月の収入が40万円、生活費(借金返済除く)が35万円かかる家庭の場合、家計の黒字は5万円となります。

個人再生で、100万円を弁済する計画を立てた場合は、月27,778円を弁済すれば3年で完済しますし、家計の黒字は月5万円なので、月27,778円を支出することは、十分に可能です。従って、弁済期間は原則どおり3年となります。

もし、同じ家計で200万円を弁済しなければならないとしたら、これを3年で弁済する場合であれば、月55,556円を弁済することになり、家計の黒字額5万円では足りません。

そこで、弁済期間を3年を超える期間として弁済計画を立てます。200万円を3年半(42ヶ月)で返済すると月47,620円の弁済です。家計黒字が5万円ですので、弁済可能といえば可能です。ただ、ギリギリではあります。

弁済期間を4年(48ヶ月)としたら、月41,667円の弁済ですので、弁済は十分可能です。この場合は、おそらく裁判所も4年の分割弁済を認めてくれると思われます。

ただ、3年を超える弁済期間を、裁判所がどこまで認めるのかはケースバイケースといえます。4年の分割弁済計画を裁判所に提出して、裁判所から、もう少し弁済期間を短くすることはできるのではないか、との示唆があれば、既に提出した分割弁済計画における弁済期間を修正することになります。

なお、完済までに5年を超える期間の分割弁済が必要な場合は、そもそも、個人再生が利用できないケースです。

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