任意整理で分割弁済の計画を立てる場合、分割期間(分割回数)は、どれくらいを考えればよいのでしょうか。
一般的には、3年(36回)程度までが理想と思います。
債権者も、3年程度の分割弁済であれば、ほとんどの場合は、合意してくれます。
ただ、3年での分割払いのためには、それなりのお金を準備しなければなりませんので、この返済資金が不足する場合は、さらに分割回数を延ばすしかありません。
一般的には、5年(60回)までであれば、合意してくれる債権者も多いといえます。但し、毎月の支払い金額が、1,000円や2,000円程度というのであれば、合意してくれない債権者もいます。
そもそも、返済する側としても、振込手数料の負担を考えると、割に合わなくなります。
では、5年(60回)を超える分割弁済はどうでしょうか。以前は、5年(60回)を超える合意は、まず無理でしたが、最近は、例外的な場合であるとは思いますが、合意してくれる債権者も増えてきているようにも思います。例えば、債務額が高額の場合です。
こうして、毎月の借金返済の負担を何とか減らそうと、できるだけ長期の分割弁済を目指すことになるのですが、実際に、5年(60回)やそれ以上の分割弁済を行うことは、色々な意味で厳しいものがあります。
まず、数年後の収入や生活の状況、あるいは不意の出費(医療費など)の有無などは、予想できるものではありません。分割期間が長ければ長いほど、予想外のことが起こる可能性は大きくなります。
また、借金返済は精神的にも負担が大きく、長い間にわたってがまんできるか、という問題もあります。
このように、長期の分割弁済にて任意整理を行っても、分割弁済が途中で頓挫し、結局、破産申立をせざるを得なくなる方もおられます。そのような場合、最初から破産申立をしておけばよかった、と思われる方もおられます。
そういう意味では、やはり、分割期間は3年(36回)程度までに抑えたほうが良いと思います。もし、それ以上の期間が必要であるほどの負債であれば、破産申立や個人再生を選択できないかを検討したほうが良いでしょう。また、弁済が長期になると、再出発の時期が遅くなってしまいます。
なお、債権者によっては、5年(60回)が上限と明言するところもあります。あるいは、残債務額が少ないと3年(36回)が上限と明言するところもあります。
逆に、回数の上限がないのではないか、と思われる債権者もあります。5年(60回)の分割弁済を提示すると、それで大丈夫か、もっと長期になっても良い、との回答を得た債権者もありました。
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