債務整理全般

夫に内緒での借金、夫に内緒での破産申立

2013.09.11

専業主婦の方で、夫に内緒で借金をして、夫の収入で家計をやりくりし、そのやりくりの中から返済をしてきたけれども(実際には、夫の収入のほか、借金を繰り返して返済を続けてきた)、もう返済できなくなった、というケースは結構あります。

この場合、夫の事情を明らかにして、夫婦で協力して、任意整理、個人再生、自己破産申立などによって債務を整理することが、最善の方法と思います。もっとも、専業主婦で収入が全くなければ、いくら夫の収入に余裕があっても、個人再生は選択できないことになり、任意整理か自己破産を選択することになります。

しかし、実際には、夫に打ち明けることができない場合もあると思います。
このような場合、何らかの偶然が重なり、夫が借金や債務整理のことを知ってしまうことも、全く否定できませんが、最大限、家族には判らないようにして、手続を進めることになります。

ただ、以前、このようなケースで自己破産申立をした場合、裁判所から、この借金については夫にも道義的な責任はあるので、夫の反省文を提出してほしいと指示されたことがありました。これは、夫が家計の運営には無関心であり、家計の運営は全面的に妻の役割・責任であると夫が固く考えており、そのうえ、夫が妻に渡していた生活費の金額が、借金をせずには家計を運営することができないような金額でした。

このような裁判所の指示に対して、どのように対応するか非常に困惑しました。夫に借金と破産申立を打ち明けてもらうことも、再度、勧めましたが、やはり、夫に打ち明けると離婚に至ってしまう、そんなことは出来ない、ということでした。

そこで、夫には借金も破産も内緒であること、明らかにすれば、これまでの夫の言動からすると夫婦関係が破綻する可能性が高いこと、それ故に夫の反省文は提出できないこと、妻としては今回のことを反省し、借金のことは言えないにしても、夫と家計について十分話し合いをし、借金をすることなく家計を運営していけるように努力することを約束すること等を書面にまとめて提出し、何とか、免責決定を得たというケースがありました。

しかし、その後、どのような生活を送っておられるかは、わかりません。免責決定を得られて安心した反面、その後のことが非常に心配になったケースでした。

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