多くのクレジットカードには、カードで現金を借り入れるキャッシング、買物の際の代金支払いにカードを利用するショッピングの2つの機能があります。このショッピングの機能を利用して現金を入手することが、「クレジットカードの現金化」、あるいは「クレジットカードのショッピング枠の現金化」と呼ばれるものです。

その方法には、大きく分けて2つあります。1つは、クレジットカードでブランド品やギフト券、新幹線回数券など換金しやすい商品を購入し、これを買取業者に売却して現金を得る方法です。もう1つは、クレジットカードの現金化を行っている業者から、クレジットカードを利用して安価な商品を高額で購入し、その特典としてキャッシュバックを受けて現金を得る方法です。

クレジットカードの現金化は、キャッシング枠が一杯になり、これ以上は現金の借り入れができなくなった場合に、現金を入手して、これを他の借金・債務の返済資金や生活費などにあてるために利用されるケースが多いといえます。

破産申立をご相談いただく方の中に、クレジットカードの現金化を利用された経験のある方が結構おられます。

しかし、クレジットカードの現金化は、免責不許可事由にあたります。つまり、破産をしても免責許可を得るためのハードルが高くなります。

例えば、10万円の商品をクレジットカードで購入し、これを7万円で売却処分して現金7万円を手に入れたとします。この行為は、まず、既に借金が多額となっており、これ以上は借金ができないはずなのに(枠いっぱいまで借金をしている)、新たに10万円を借金したことになり、手に入れた7万円を返済に回したとしても、差額の3万円分の借金が増えたこととなります。この差額3万円は、これ以上借金ができない、あるいは、返済の見込みがないのに増やした借金であり、何ら経済的合理性もなく不当な借金だった、と評価される可能性があります。

そして、このような行為は、免責不許可事由を定める破産法252条1項2号、つまり不当な債務負担行為あるいは廉価処分に該当する可能性があります。つまり、免責不許可事由にあたる可能性のある行為であったといえます。

ところで、免責の手続きにおいては、裁判所は債権者に意見を尋ねます。この意見は、単に、免責を許可してもらっては困る、反対だ、といった意見では足りず、免責不許可事由にあたる行為があったことを具体的に指摘したうえで、免責を許可することが相当ではない、といった内容になります。

クレジットカード会社は、自社のカードの利用履歴から、クレジットカードの現金化がなされたであろうことは、知ることができます。そして、クレジットカードのショッピング枠は商品代金の支払いをするためのもので、換金を目的として利用するものではないことから、クレジットカードの現金化は、クレジットカード会社の規約に違反する行為、つまり契約違反の行為です。

そこで、クレジットカード会社としては、クレジットカードの規約違反の行為があり、しかも免責不許可事由に当たる行為があるとすれば、これを見過ごすことはできないと考える場合があります。その場合、クレジットカード会社は、免責不許可事由に該当する行為があったことを指摘して、免責を許可すべきではない、との意見を裁判所に提出することになります。その結果、免責許可のためのハードルが上がってしまうことになります。

もっとも、このような行為があったからといって、免責の許可を得ることができなくなったわけではありません。

破産手続きは、経済的な再建を図る手続きです。裁判所も、可能な限り経済的再建に助力しようとします。そのためには、債務者として不利なことがあっても、これを正直に明らかにして反省し、今後、同じ過ちを繰り返さないように、そして経済的再建に向かって誠実に努力していただく必要があります。裁判所は、このような態度を評価してくれる場合があります。つまり、対応次第では、免責許可を得られることになります。しかし、対応が悪ければ、免責不許可事由がある場合は、免責が不許可となる可能性が大きくなります。

具体的にどのような対応をしていけば良いのかは、弁護士にご相談ください。

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